03.04.01 いよいよ決戦間近
 ついに4月を迎えました。私が目指す県議選の告示まであと3日。1年も前に
走り出したこの戦いもいよいよクライマックスを迎えようとしています。
 出だしのスタートダッシュに成功したとは言いがたい走りだしの選挙。マラ
ソンに例えるなら前を行く選手の姿は遠く霞んで見えていました。しかし、す
でにゴールの競技場が見えてきた今、そのトップランナーの背中ははっきりと
私の視界に捕らえることができるようになってきました。あと一歩、あと一歩、
そしてあと一歩。背中に手が届くところまであと一歩。競技場に入り、なんと
かトラック勝負に持ち込みたい。
 そんな4月の幕開けです。投票日は13日。皆さんの声援だけが私の背中を
押してくれています。
     
03.04.02 おやじの背中
 昨日の夕刻、いちかわストア前で街頭演説。始まってしばらくしたところで
少し離れた場所で我が家の二人の息子が私を見ているのに気づきました。一通
りしゃべり終えたあと再び視線を送るともうそこに息子たちの姿はありません
でした。
 演説を見かけた支援者の方の一人が「おとうさんの姿を見ておきなさい。」
と彼らを車に乗せて現場までつれてきて下さったそうです。
 彼らはこんな親父の背中をどんな気持ちで見てくれたのだろう?
     
03.04.03 告示前夜
 いよいよ明日から選挙戦の火ぶたが切って落されます。今、とても静かな気
持ちでその前夜を迎えています。
 思い返せば一年前、県政への挑戦を決意したとき私は一つの決意をしました。
107の議席を求めて神奈川県中の選挙区から数百人の候補者が名乗りを挙げる、
その総ての候補者の中で最も多くの努力をしよう。と。

 8月8日の朝から始めた駅頭の朝だち、照りつける太陽に目が眩んだ夏の朝
がありました。路面が凍結し、雪と北風が吹き付ける冬の朝もありました。
 どの候補者よりも多くの人たちと膝づめの対話をしようと決心し、60を超え
る会場で座談会を行ないました。来場者がたった一人だった勝瀬の座談会は一
生忘れません。そして意見の食い違いから来場者が席を立ってしまったことも
ありました。
 市内の各スーパーマーケットの前での街頭演説では温かいコーヒーを黙って
コートのポケットに入れてくれた方がいました。喫茶店から出てきたマスター
は「今いるお客さんの署名だ。」と言って、頑張れ!と添え書きしたメモ用紙
を下さいました。
苦手な犬にビクビクとしながらの個別訪問。チラシの投げ込みなどなど。

 しかし、今私のその考えが思いあがりに過ぎないことに気付いています。私
一人にできる努力など所詮ちっぽけなもので、支えて頂いた多くの皆さんの激
しいまでの協力があってこうして告示前夜を迎えることができているのだと。
その全体からすれば私一人のしたことがいかに小さなものか。今更ながらその
ことに気付かされています。

 凍えた手に息を吹きかけながらチラシの投げ込みをして下さった皆さん。
 市民を三分する戦いで友人関係を犠牲にするかもしれないのに私や家族を紹
介して連れ歩いて下さった方々。
 ボランティア募集のチラシを手に事務所まで来て無償の働きに参加してくれ
た方たち。
 押し車を押しながら毎日事務所までやってきて下さった老人会の皆さん。
 人前で話すことなど無かった主婦がウグイスの練習会に集い、そして明日か
ら車上に。
 そして日付が変わる時刻まで議論し、作業を進めて下さったスタッフの皆さ
ん。

そんな皆さんのことを胸に明日からの九日間、私は戦います。

※選挙が告示されますと法律によりホームページの更新ができなくなります。
 しばらくの間皆さんとのコュニケーションがとれなくなります。13日、こ
の日記で皆さんに勝利の報告ができることを念じつつ、しばしのお別れとしま
す。     では。
     
03.04.13 敗
 一年にわたった私の挑戦は落選というかたちで幕を閉じました。

     
03.04.14 敗北と前進
 とても残念な結果に終わり、ご迷惑をおかけした支援者の皆さんに本当に申
し訳なく思っております。
 敗因はひとえに私自身の努力不足にあり、簡単に言えば勝つための意欲、貪
欲さに欠けていたということだと思っています。
「自分は正義だ。」と信じ、そこまでは良いのですが、これだけやったんだか
ら必ず勝てると根拠もなく自分を過信し、相手と選挙を甘く見ていた自分が敗
因の総てです。
 ただし、16,436票もの投票を頂いたことは私にとって大きな財産であり、選
挙自体は自分が目指す、清潔でしがらみにとらわれないボランティア選挙を見
事に実践できたもので、このことにこそ今、満足をしております。

 私は投開票の翌日から早速支援者へのお礼の挨拶回りを始め、早速次へのス
テップを踏み始めています。一市民となって一から出直しです。そして4年後
には絶対に負けません。
 そのためにこれからの四年間継続して活動を行ってまいります。ついてはど
うかこの結果に懲りることなく私の活動に御協力ください。

 それと敗戦が確定した直後当選者の木内氏の事務所を訪ね当人と握手を交わ
してきました。選挙といえば支援者の皆さんも含めて、とかくその後の人間関
係にシコリを残すもの、しかしそれだけは避けて頂きたいという思いからの行
動であり、戦いが終われば総てはノーサイド。私や支持者の皆さんにとっては
とても残念な結果ですが、海老名市民全体は現職候補を選んだということであ
り、私もその事実を一市民として認め、同氏の行動にこれからは関心を持って
いかなければならないのですから。
 どうかその点について御理解を下さい。
     
03.04.15 希望
 4月の14日から真っ白になった手帳を見つめ、一つため息をつきました。
 でもこんな今こそ自分の真価が問われているのだろうから、めげずに頑張る
つもりです。
 4年間は長いけど、きっと自分の人生の中では良い経験になるのだろうと思
います。29歳の若造が上位当選で市議会議員となり二期目でトップ当選。順風
満帆の中でそのまま県議になっていたらと考えると、やはりこれは必要な試練
なのでしょう。
 この真っ白なページを埋められるのは自分だけだし、いやむしろ自分で埋め
られる自由を4年間得た。と考えます。
 長い人生の中でバッチの重圧から開放されて、むしろ最も人生をエンジョイ
できるひとときにしたいと思っています。家族との時間、自分の時間、そうい
うものをしっかりとそして大切にしたいと思います。
     
03.04.16 スタッフ
 敗戦でヘロヘロの私に比べて我がスタッフの皆さんの強いことありがたいこ
と。筆舌に尽くし難く。
 敗戦の翌日、鉛のように重たい体を引きずって事務所に行けば、テキパキと
事務所を片付け、支援者にお礼の電話を入れ、来客の応対をし・・・・・
 負けたとたんに人が寄り付かなくなり、請求書だけが押し寄せるというのが
選挙事務所の常。
 私もかつてある選挙のスタッフとして戦い、そして苦杯をなめたとき、だれ
もいない事務所で、まるで指のささくれを抜くように後ろ向きで後片付けをす
る候補者とその家族の姿を目の当たりにしたことがあります。
 しかし、私を支援してくれる人たちは違いました。電話、ファックス、手紙、
Eメールなどで次々と励ましの言葉をかけて頂き、今それらの整理に追われて
います。これも総ては16.436もの票が何ものにも縛られない、個人の良識によ
る、明日につながる“期待の一票”の積み上げであったことによるものと感じ
ております。

 我が事務所、今月いっぱいは業務を行なっています。
     
03.04.17 いろいろよく見ろ!
 ある女性からのメールにありました。
 今回の16,436票の数字を覚えるためのゴロは「いろいろ良く見ろ!」です。
まさに、、、、なんと、、、、これからの自分に言い聞かせるような、、、、
得票のゴロまでが言ってくれているとは。

 在野の精神。この四年間、市井の人となり、社会を良く見つめて生きたいと
思います。
     
03.04.18 気が付けば
 すっかり春になっていましたね。愁春なんて言葉もあり、春だからこその愁
いもまた、春ゆえか。
 皆さんから本当に多くの励ましの言葉を頂いております。「死ぬなよ!」な
んて言ってくれる人もあり、こっちの方がビックリしますが、こればっかりは
当事者にしか分からないことかも知れませんが、案外私自身は冷静なもので、
選挙が終わったら死ぬほど寝てやる。と思っていたものの、実際寝てみれば、
寝だめ食いだめはできない。という言葉の通りです。
 4年後のためにコツコツと支持者の皆さんへお礼の電話をかけたり挨拶まわ
りをしております。出来るだけ丁寧にと心がけてはおりますが、中にはウッカ
リしてしまうこともあるでしょう。この点はどうか非常時ゆえ御理解下さい。

 今日久しぶりに我が家の庭に出て「春になってたんだなぁ。」と。
 あの身を切り裂くような寒さの中の街頭演説が、もうなんだか遠い昔日のこ
とのように感じられます。
 バラの新芽にアブラムシが鈴なりになっています。芝の間に伸びた雑草はう
かつに歩けばつまづくほどに。スイレン鉢の黒めだかが動き始めました。門塀
にからまったアイビーが伸びに伸びて表札が隠れています。
 そうそう昨年の秋、父が私の畑に蒔いた小松菜が収穫する間も無く多忙を極
める選挙戦に入り、春の訪れとともにトウが立ち、身の丈ほどに伸びて見事な
黄色い花を咲かせています。
 季節はめぐり、生命は再生する。その力強さにときの経つのを忘れました。

 

     
03.04.19 今は少し・・・
 ビナウォーク・バージンシネマズのレイトショーは午後9時から。
 選挙が終わったら映画でもゆっくりと見てみたいなぁ。と思っていた。スタ
ッフの帰宅を見送って一人映画館へ。
 午後9時からのロードオブザリングが終えたのは午前0時を過ぎていました。
ビナウォークにはまだそこかしこに明かりが灯り、春の陽気の深夜には一人で
歩く女性、仲間と戯れる若者。こんな時間に犬の散歩をする紳士。仕事帰りら
しいまだスーツ姿のぎこちないフレッシュマン。

 そんな風景をぼんやりと眺めながら、このまちはとても豊かではないか、危
険はどこに?みんなみんな満ち足りた豊かさのなかに春を謳歌しているではな
いか!

 この国の財政は破綻に近いよ。
 このまちでは一年間に殺人や17もの凶悪犯罪が起きてるよ。
 自然は破壊され、教育は崩壊して・・・・

 とこの場所で叫んでいた昨日までの自分がなんだか
 とても言葉が空しく思え   俺はいったい何を

 今は とても疲れた
 静かに眠ろう  今は眠ろう
 自信を失うなんて、俺のガラじゃない。
     
03.04.21 松沢知事
 若きリーダーの(新知事)のことを書いた新聞記事やテレビニュースを見るに
つけ、期待がふくらみそしてその言論の府に参加できない自分を悔います。
   (ぐちではありません。もうそういうことは言いません。) 
 県の自民党幹事長が、「議会は執行者(知事)のすることを反対側からチェッ
クするのが役割、それを野党と呼ぶなら我々は野党だ。」という旨の発言をされ
たそうだが、24年ぶりに与党となれなかったことに対する不足の思いがにじみ
出ているような発言だ。
 しかし、それで良いのではないか?本当に本来そうあるべきなのだ。今回の県
議選において自民党は議席こそ減らしたものの各公認候補の得票数の合計は大幅
に伸びた。知事選挙と県議選挙、同じ投票所で県民は知事においては改革を推進
する若いリーダーに期待し、そして同時にそれをチェックする役割を自民党に期
待したというのがこの結果ではないか?
 選挙前、松沢氏に会ったとき私は当人に申し上げた。「地方議会に与野党の別
なし。一部の議員を味方につけ、磐石な与党体制を組むような旧来型の議会運営
はしないで欲しい。」

 新しい知事の改革の推進と議員個々の良識に基づいた是々非々の論議が県議会
において展開されることを期待したい。

 今日松沢新知事に手紙を書きました。

     
03.04.22 良著
 久しぶりに他人に薦められるようなすばらしい本に出会いました。「いつも
にこにこ きよこさん」 私の近所に住んでいる横戸さんという普通のおじさ
んが書いた、壮絶でそしてほほえましい、13年間に及ぶ家族介護の記録です。
 一世一代の大勝負に負けた自分を励ましてくれたのは、壮大なスケールの映
画でも泣かせる小説でも歴史絵巻でもなく、病臥する父と痴呆の母との日常を
つづったエッセイの数々でした。

 
「白い雲」
母は言う
「あれは雪がつもっているのか」と
妻が出勤した後
父のベッドに朝食をはこんでから
母と二人で朝食を囲む
「あれは雲だよ」
「そうか雲か」
出窓から見える東の空に
もくもくとした白い雲
「あれは雪が積もっているのか」
「あれは雲だよ」
「そうか雲か」
二、三分ごとにくり返す母の言葉
そのたびに同じ答え
「白くて雪みたいな雲だね」
「うん、雪が積もったんだと思ったよ」
「今は夏だから雪は降らないんだ」
「そうか雪は降らないのか」
納得しても二、三分すれば また
「あれは雪が積もっているのか」 

 是非読んでみて下さい。これまでこの日記で紹介したどの本よりも胸をうち
ます。それは文才よるものばかりではなく真実に基づいた記述だからなのでし
ょう。
 思えば私事ながら今回の選挙のなかで自分の発してきた言葉の数々に何やら
言い得ぬ空しさを感じてきた自分。その原因はやはり、若さゆえに実体験に基
づく私の経験が乏しかったことによるものなのではないか?そんな気にもさせ
られました。

 

今日もにこにこ きよこさん
著者・横戸喜平治
水書房刊 本体1,300円+税
     
03.04.24 渡世の義理
 日頃から付き合いがあり、今回の選挙でも応援に駆けつけてくれた、近隣各
市の市議、町議等の皆さんが今選挙を戦っています。
 今日は、伊勢原、秦野、平塚、茅ヶ崎、藤沢、綾瀬と各市議選を戦っている
仲間のみなさんのところへ激励に出向いてきました。
 
 まぁ、そりゃやっぱりつらくもありますよ。負けた私が意気盛んな候補者や
今を盛りに盛り上がっている選挙事務所に顔を出すのは。でもこれも渡世の義
理ごと。情は水に流し、義理は果たさなきゃぁ生きらんねぇ。
 まるでヤクザみたい!?
     
03.04.25 世襲
 選挙中に5年生と1年生になった息子たちと今日久しぶりに風呂入りました。
会話のなり行きで、君は将来どんな仕事をしたい?と、長男と話題になったと
き、
「政治家になりたい。」
 と彼は言うのです。一瞬面食らってしまいました。
「一人でやれるのか?」
 ヘンな質問に長男は何がなんだかわからない様子。そりゃそうだよね。自分
としては世襲政治家なんてのは否定したい気持ちが口をついてでたのだが、彼
にそんなこと理解できようはずも無い。
「どうしてそう思ったの?」
「やりたいんだからいいじゃん。」
 父親の仕事に誇りや憧れを抱いてくれていることに嬉しくもあり、でも素直
に喜べない自分がいて、沈黙していたら横で聞いていた次男、
「おれウグイス!」
だって、まいったなぁこりゃ。
     
03.04.27 撤収
 今日、スタッフのみんなが集まり、事務所の撤収を行いました。
 ガランとした事務所、イスもテーブルもない事務所で床に車座になって色々
な思い出話に花を咲かせ、笑いに包まれ、我が居城は幕を閉じました。
 みんなが帰った事務所で、半年前のやっぱり誰も居ない何も無いこの場所で、
ひとりで夢を膨らませたり、不安になったりしていた自分を思い起こしていま
す。
     
03.04.28 敗軍の将兵を語らず
 地元の長老の方から教えられました。
「敗軍の将、兵を語らず」その言葉、心に刻みます。
     
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