北朝鮮の金正日氏のご子息がわが国に不法入国したという第一報には私も政治に携わ
る者の一人として大変な緊張感を感じた。当然にスパイや謀略などが目的の入国と感じ
たし、紛争の火種がゴールデンウィークに浮かれるこの国に飛び込んできた!という印
象を持ったからである。
しかしその後の様子を見ていると「ディズニーランドを見物に来た。」という彼の言
葉はどうもウソでもなさそうだ。という気がしてきて、なんかもう呆れてしまって怒る
気にもなれないというのがホンネだ。
すでに国家としての自立も尊厳も失われつつある国の「星の王子様」が冒険旅行にや
ってきてしまった(初めてではないようだが。)というのが真相なのでは。
一般的に考えて国交を樹立していない国の皇太子殿下みたいな人物が不法に入国して
きたのだ、日米安全保障や極東の国際社会のなかでも大問題に発展すべき問題だし、俺
だって日本人拉致疑惑のことなどを考えれば徹底して問題を追求すべきだと考えるとこ
ろである。しかしどうもそんな気になれないのは国際社会も同じことのよう。つまり呆
れてしまっている。
サラリと国外退去に付した日本政府の判断が正しかったように思えるし、今回のこと
で「北朝鮮恐るに足らず」というか、むしろ哀れみの印象が強く自分の中に残った。
不幸なのは、かの国の国民である。
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