万年筆が好きです。私が手紙を差し上げたことのある方はご覧になったことと思
いますが、必ずブルーブラックのインクを使って書きます。紳士への憧れとでも言
うのでしょうか、子どもの頃シャーロックホームズを全巻読みきったころから万年
筆という筆記具に憧れ、学校の先生がデスクトップで使っていたあの黒くてスリム
な600円くらいで買える事務用万年筆を中学生のときに買い、初恋の相手に手紙
を書いて以来、今でも事務用万年筆は私の生活に欠かせない愛用品。
ボールペンのように手軽でなく、手にしたときの凛とした緊張感は万年筆特有の
ものだし、インクがかすれたりにじんだり、適度にオーナーを悩ませるアナログな
ところがまたいい。
10年ほど前にローマへ旅行したときに中古で買った万年筆を永いこと愛用して
いたが数年前に机から落してペン先を割ってしまった。修理をと思って各方面をあ
たったが外国のマイナーなメーカーの製品らしく未だ修理できないでいる。ニワト
リの顔のマークが入ったイリジウム製のペン先の万年筆なのだが、ダレかこのペン
のメーカー名をご存知ないだろうか。
さて、そんなわけで先日一念発起して二万円の万年筆を買いました。ほとんど清
水の舞台から・・・状態でしたが、パーカーのソネットといい、ペン先に18金を
使ったタッチの柔らかいもの。筆圧の強めな私には気持ちを落ち着けないとうまく
使いこなせないしろもの。「これからじっくりこの手になじませてやるぜ。」なん
て独り言を言い、毎日眺めてはニタニタとしています。
私も36歳。身の回りの持ち物一つ一つにも気配りとこだわりを持ち、良いもの
を永く使えるライフスタイルを整えたいもの。
だれかに手紙を書きたい、弥生三月です。
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